第73回卒業証書授与式 式辞
2020年3月17日 12時00分うららかな日の光が空いっぱいに広がり、春の息吹が校庭に満ちあふれる頃となりました。 このよき日に、令和の時代になって初めて中萩中学校を巣立ちゆく百六十三名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。ただいま、皆さん一人一人に卒業証書をお渡しすることができました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、本日の式典の開催まで心配される状況でしたが、無事に挙行でき安堵しています。
この門出の日に、多数のご来賓の皆様にご臨席を賜り、このように盛大に、第七十三回卒業証書授与式が挙行できますことを、在校生や教職員一同、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
さて、皆さんは、中学校の三年間で、心身ともに目覚ましい成長を遂げました。特にこの一年間は、運動部や文化部の活動をはじめ、学校行事や生徒会活動、そして地域ボランティア活動等、中萩中学校の最上級生として、後輩たちの良き手本となる大活躍でした。
中でも、運動会での全員が心を一つに気力で走り抜いた百足競走、校内合唱コンクールでの各クラスの美しい歌声は、観る者の心を打つ迫力がありました。
六年ぶりの母校勤務で皆さんと出会えた奇跡に、私は感謝しています。本当にありがとう。
皆さんの卒業にあたり,私の最後の話として、アフガニスタンの復興に三十年以上の長きにわたって携われ、昨年志半ばで凶弾に倒れられた中村哲医師の著書の一節を紹介したいと思います。
中村医師は、「天、共に在り」の著書の中で、
様々な人や出来事との出会い、そしてそれに自分がどう応えるかで、行く末が定められてゆきます。私たち個人のどんな小さい出来事も、時と場所を超えて縦横無尽、有機的に結ばれています。そして、そこに人の意思を超えた神聖なものを感ぜざるを得ません。この広大な縁(えにし)の世界で、誰であっても、無意味な生命や人生は、決してありません。私たちに分からないだけです。
現地三十年の体験を通して言えることは、私たちが己の分限を知り、誠実である限り、天の恵みと人のまごころは信頼に足るということです。
と述べられています。
皆さんにも、中村医師の日本人としての誇りと信念ある生き方に学び、充実したすばらしい人生を歩んでいってほしいと心より願っています。
保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
九年間の義務教育を終えられたお子様の姿に、これまでの様々なご苦労が心に浮かび、感慨もひとしおのことと思います。心からお祝い申し上げますとともに、これまでの、本校教育に対するご理解、ご協力に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
最後になりましたが、卒業を祝ってくださったご来賓の皆様、これからも、子どもたちを温かく見守り、ご支援くださいますようお願い申し上げます。
なごりは尽きませんが、希望にあふれ、限りない皆さんの前途に幸多かれとお祈りし、私の式辞といたします。
令和二年三月十七日